常にラリってる漫画家ムクロジの闇ブログ。

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暗い小説なので、
暗い気分になりたくない人は
読まないでね。

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「信じる者は救われる」
そんな言葉、くそくらえだ。

私の母は、どうやら私に嫉妬しているようだ。
どうして嫉妬してるのか、よくわからない。
ただ、母が言うには「お前はラクばかりしている」とか、
「お前は怠けてばかりいる」とか、そう言われる。
私は、毎日、行きたくもない学校に行って、
受けたくもない授業を受けて、
言われたくもない悪口を言われて、
耐えてきたつもりだったが、
母には私の怠けている部分しか、
目に入らないようだ。

「人は、自分の信じたいものしか信じないし、見たいものしか見えない」
どこかでこういう言葉を聞いたのだが、
本当にそのとおりだと思う。
要するに、母には、私の悪い部分しか見えてないのだ。
それは、「お前は悪い女だから悪いことをするはずだ」
という母の「固定観念」からくる、視線である。

うんざりする。

いつものように、学校へ行く。
私の机の上には、他人のカバンが置かれていた。
私がやって来たのを見た隣の女子が
急いで机の上のカバンをどけた。

ぶっころすぞ、てめー。

と、思ったが、まあいつものことだ。
めげない。
いつものように、自分の席に座る。
いつものように、本を出す。
いつものように、それを読む。
・・・そして、いつものように、悪口が聞こえる。

「首無し」

それが、私の影で言われているあだ名だった。
私の首が短いから、このあだ名がつけられた。
見た目の欠陥をあだ名にされるのは、つらい。
それも、首の長さなんて変えることの出来ない部分だから、
余計につらいと思った。

死のうかな、

と、ときどき、思う。
私は近所の川に身投げする自分の姿を
よく白昼夢のように見ることが多い。
家でも学校でも、自分の居場所が無い気がした。
「自分の理解者が欲しい」、なんて、そんな
欲張りなことは言わないし、言えない。
ただ、「私はここに居てもいいんだな」と思える場所が欲しかった。
私は、ただただ、「落ち着ける場所」が欲しかっただけなのだ。

学校が終わり、家に着く。
母は、急いで私の元にやって来ると、
私をにらみながら「ちょっとこっち来な」と言った。
なんだろう、変な様子だな、と思ったが
とりあえずついていった。
母の部屋につくと、母は開口一番、こう言った。

「神様が見えるようになった」

私は、あっそう、とだけ言って、自分の部屋に行こうとした。
だが母は私の腕をつかんで、「まだ話は終わっていないよ」と
言って、その場にとどまらせた。
そして、母が言うには、私は「わるい存在」らしいから、
神様から「まともでふつうの人間」にするように
教育しろ、と命じられたらしい。

なんだそれ。

私はだまって無視して自分の部屋に行こうとしたら、
母が「ほら見ろ!」と言った。
「そういう、"他者"に思いやりの無い態度が悪いんだよ!お前!」
「ごめんなさい」
「いいか、神様は他者に思いやりのある人が好きなんだよ。
お前には他者に対する思いやりが足りないし、他者に対する関心も無い。
そういうお前は人間じゃないんだよ。悪いメスブタだよ、いや、ブタ以下の女だよ!」
「ごめんなさい」
「いいか、悪いメスブタのお前を良い人間に私がしてやるよ。だから、これからは
もっとお前は素直になりな。お前には素直さや、優しさが足りない。
だから、お前は人間じゃないんだよ!このブタ!」
「ごめんなさい」
「あやまればいいってもんじゃないんだよ。この・・・」
「ごめんなさい!」
私は自分の部屋に走っていった。

「このブタ!このブタ!このブタ!」

ドアを閉めても、母の狂ったような声が頭の中に響いてきた。
気持ちが悪かった。
久々に、収まりようの無いムカつきが、胸にもだえていた。

「このブタ!このブタ!」

うるさいな・・・。

「このブタ!」

私はガバッと起きた。
そして、自分の部屋にあった、体操用の1キロのダンベルを
持って、母の元へ駆け出した。

母は、テレビを見ていた。
下品にゲラゲラと笑う母の頭に向かって、
私はダンベルを振り下ろした。

がきっ

と、にぶい音がして、母の頭から、血が噴出した。

あ、

と思ったが、もう遅かった。
母は、「お前!何!この!何!ブタ!お前!お前!お前!」
と、狂ったようにあわてふためいていた。
私は、足がガクガクと震えて、涙が出そうになった。

このまま、母が死んでしまうかも、しれない。

そう思うと恐くなって、家から外へ駆け出した。
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、
止まらずに。

気づくと、夜の土手に、私は居た。
ひと気の無い外の夜は、なんだか別世界に見えた。
私は、そのまま川に沿ってまっすぐに歩くことにした。

私、ひとごろしになってしまうのかな。

ぼんやりと思いながら、それでも、夜の外の
気持ち良さに、私は酔っていた。
夜の外が、こんなに気持ちいいなんて、知らなかったな。
星が、思ったよりたくさん見えた。
ここって都会寄りの場所だけど、土手だからけっこう見えるのかな。

川の向こう岸に、様々な光が見えていた。
なんだか、ぼやけていて、宝石みたいだった。

あ、

と私は思った。
ここって、「落ち着ける場所」だ、と思った。
そうだ、夜の外が「私の居場所」だったんだ。
そして、ごうまんだけど、こう思った。

(夜は私の時間だ)

私は、泣きながら歩いていた。
やっと、私の居場所を見つけられた、と思って。

(このまま、ずっと、ずっと、歩いていたい)

そう、思った。
そうだ、それなら、ずっとずっと、歩けばいい。
夜明けまでが、あたしの居場所。

ずっと、ずっと、ずっと・・・。

歩いていこう。

-完-

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

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